国家公務員共済組合連合会広島記念病院

消化器センターDigestive Disease Center

診療科について

消化器疾患のリーディングホスピタルになる

2016年5月より消化器センターを開設しました。初代センター長は、日本で有数の胃外科医である、元広島市民病院の二宮基樹先生、2代目は広島大学で、膵臓がん手術において、日本のトップクラスの治療成績を出した現任の村上義昭先生であります。優秀なスタッフを揃えるとともに、高度で専門的なチーム医療を行うことにより、広島における消化器疾患のリーディングホスピタルを目指しています。

⽅針

当センターでは、消化器疾患に対する医療を高度化・集約化するため、臓器別の診療を行っています。上部消化管、下部消化管、肝胆膵の3分野に分け、内科、外科、放射線科、病理の医師が一堂に会し、患者さん一人ひとりの治療方針についてカンファレンスを行い、最適な治療を選択しています。

それぞれの臓器に特化した診断と治療を提供

広島記念病院、消化器センターは、2016年5⽉、消化器疾患に特化して、⾼度な消化器疾患の診断・治療の提供を⽬指して開設されました。
消化器の疾患は、⾷道、胃、⼩腸、⼤腸、肝臓、膵臓、胆道など多くの臓器の疾患が含まれていますが、現代の医療では、それぞれの臓器に特化した専⾨性の⾼い診療が必要とされています。消化器センターでは、その診断・治療を通して、上部消化管(⾷道、胃)、下部消化管(⼩腸・⼤腸)、肝胆膵消化管(肝臓・膵臓・胆道)の専⾨医が、それぞれの臓器に特化した診断・治療を⽬指しております。

内視鏡による診断・CT、MRI検査

消化器疾患の診断では、2019年に内視鏡センターをリニューアルオープンし、安⼼で苦痛の少ない精度の⾼い内視鏡診断を⽬指すとともに、⾷道・胃・⼤腸などの早期がんに対しては、内視鏡下切除などの治療も積極的に施⾏しております。
また、CT検査、MRI検査は、近年の消化器疾患の診断においては⽋かすことのできない検査です。放射線診断医と連携し、的確な診断を⽬指します。

患者さんにやさしい⼿術を

消化器疾患の治療では、潰瘍性病変、肝炎などの良性疾患に対する内科的薬物治療のほか、多くの消化器の悪性腫瘍(がん)に対する外科的治療を積極的に施⾏しております。現代の医療では、胃、⼤腸などの悪性腫瘍(がん)に対しては、患者さんにやさしい低侵襲の腹腔鏡を駆使した⼿術が標準⼿術となっており、当センターにおいても多くの胃、⼤腸などの悪性腫瘍(がん)に対して腹腔鏡による⼿術が施⾏されています。

⻑期⽣存をめざした外科的切除術

⼀⽅、肝臓・膵臓・胆道の悪性腫瘍(がん)は進⾏がんの患者さんが多く、外科的切除には⾼度な⼿術⼿技が必要となりますが、⽇本肝胆膵外科学会で認定された⾼度技能指導医・専⾨医が、外科的切除が困難な症例に対しても、患者さんの⻑期⽣存を⽬指して、積極的な外科的切除に挑戦しています。

抗がん剤・分⼦標的薬を併⽤したあきらめない治療を

消化器の悪性腫瘍(がん)の治療では、これらの悪性腫瘍(がん)に有効な多くの新しい抗がん剤、分⼦標的薬が開発され、現代の医療では、これらの薬物を併⽤した集学的治療が重要です。消化器センターでは、外来化学療法室と連携し、積極的にこれらの薬物療法を駆使し、消化器の悪性腫瘍(がん)の患者さんの⻑期⽣存を⽬指します。
消化器の疾患は、悪性腫瘍(がん)をはじめとしてまだまだ難治性の疾患が多くあります。しかし、近年、新たな抗がん剤、分⼦標的薬の開発、外科的治療の進歩などにより、その治療成績は向上しております。早期診断・治療、あきらめない治療をコンセプトに、消化器疾患患者さんの治療成績の向上に寄与したいと考えております。

広島記念病院 消化器センター
センター長 村上 義昭

村上先生近影

対象疾患と治療

食道

食道グループでは、食道がん内視鏡及び外科治療を中心に取り組んでいます。食道がんは、消化器がんの中でも、比較的早い段階でリンパ節や肝臓や肺などの遠隔転移を認め、また、周囲には大血管などの重要な臓器に浸潤しやすく、消化器がんの中でも難治のがんです。

食道がんの内視鏡的治療、外科治療も日々進歩しており、化学療法、放射線治療、医療スタッフの積極的な関与による集学的治療・チーム医療を推進し、食道がんの根治を目指しています。

主な疾患と治療法
良性疾患
  • 逆流性食道
  • 食道裂肛ヘルニア
悪性疾患
  • 食道がん
実績
胸腔鏡下食道悪性腫瘍切除
食道ESD/EMR件数
2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
食道粘膜下層剥離術(ESD) 7 4 8 2 4
食道粘膜切除(EMR) 0 1 1 0 1
合計 7 5 9 2 5

治療の圧倒的多くを占めているのが胃がんです。わが国のがんの死亡率は肺がんが最も高いのですが、患者数ではいまなお胃がんが最多のがんであり日本人の国民病のひとつとも言えます。

世界に先駆けての長い間の研究が実を結び、日本の胃がんの診断と治療は最高レベルにあり世界をリードしてきました。早い段階で見つかれば内視鏡的治療(ESD)でリンパ節転移の可能性があれば外科手術となりますが、生存率は以前に比べて随分向上してきており治りやすいがんのひとつになっています。

胃がんはよほど進行しないと目立った症状が現れないことが特徴です。早期発見のために、年に1回の検診を心がけましょう。

実績
胃がん手術
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
腹腔鏡下幽門側切除 19 20 23 17 22
胃全摘術 29 13 11 9 7
幽門側胃切除術 29 23 31 15 6
腹腔鏡下噴門側胃切除術 2 2 2 2 4
腹腔鏡下胃全摘術 4 1 0 2 2
早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術(ESD)

大腸・肛門

大腸・肛門グループでは、大腸がん(結腸がん、直腸がん)の内視鏡治療、外科治療、炎症性腸疾患、そのほか肛門疾患を中心に診療を行っています。大腸がんの治療では、患者さんにより侵襲が少ない治療として、内視鏡による粘膜下層剥離術(ESD)や腹腔鏡下手術に積極的に取り組んでいます。

潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患については、内科的な薬物治療を中心に、生涯にわたってQOL(生活の質)の改善、維持を目指して治療を行っています。
患者さんの一人一人にあった最適な治療法を考えていきましょう。

実績
大腸がん手術
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
腹腔鏡下結腸悪性腫瘍手術 89 94 79 95 86
腹腔鏡下直腸切除 23 37 28 26 29
腹腔鏡下直腸低位前方切除 21 20 12 27 20
腹腔鏡下直腸切断術 4 4 3 2 13
結腸悪性腫瘍手術 8 8 12 15 6
直腸切除低位前方切除 1 2 3 3 3
直腸切断術 1 0 0 2 1
直腸切除術 3 2 1 4 0
早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術(ESD)
肛門手術
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
痔核手術 12 43 38 30 41
痔瘻根治手術 7 27 21 23 29
肛門周囲膿瘍切開術 2 12 11 10 16
直腸脱手術 5 6 9 18 13

肝臓

肝臓グループでは、B型肝炎やC型肝炎ウイルス感染などの慢性肝炎や肝硬変の治療、肝細胞がんをはじめとする肝臓の腫瘍性疾患の診断、治療を行っています。

患者さんやご家族の方などに、慢性肝炎や肝細胞がんの治療についてよくご理解していただいたうえで、最適な治療を提供するよう心がけています。

日本肝胆膵外科学会 高度技能専門医認定修練施設の認定を受けています。

広島記念病院は、2018年6月に日本肝胆膵外科学会高度技能専門医認定修練施設Bに認定されました。膵臓がんは、年間症例数の多い医療機関ほど治療成績が良い傾向にあり、両者に相関があることが報告されています。高度技能専門医認定修練施設に認定されている医療機関は、特に、手術の難易度が高い肝臓がんや胆道がん、そして膵臓がんの外科治療を受ける際、医療機関選びの参考にしていただけます。

高度技能専門医認定修練施設について

肝胆膵外科手術は、消化器外科手術の中で、特に難易度が高いといわれています。この難しい手術を「安全に、かつ確実に行うことのできる外科医を育てる」ことを目的に、日本肝胆膵外科学会は、高度技能専門医や修練施設の認定のための高度技能専門医制度を2008年より始めました。

高度技能専門医認定修練施設とは

日本消化器外科学会専門医制度指定修練施設によって認定されており、かつ高度技能指導医あるいは高度技能専門医が常勤し、高難度肝胆膵外科手術を基準数以上の手術を行っている施設です。

高難度肝胆膵外科手術とは

高難度肝胆膵外科手術とは、肝臓、胆道、膵臓の手術で、日本肝胆膵外科学会が定めており、侵襲が大きな手術です。たとえば、肝臓がんや胆管がんで肝臓を大量に切除する肝葉切除などの手術、胆のうがんの手術、膵臓がんに対する膵頭十二指腸切除などの手術、肝臓、膵臓移植の手術などがあります。比較的簡単な肝胆膵手術(肝部分切除、肝外側区域切除、良性に対する膵体尾部切除術など)は含まれていません。詳細は日本肝胆膵外科学会のウェブサイトをご覧ください。

参考:日本肝胆膵外科学会 高度技能専門医とは
広島記念病院では、肝臓、膵臓、胆道の病気について、高度な医療技術を駆使した治療を提供したいと考えています。

主な疾患と治療法
良性疾患
  • 急性肝炎
  • B型肝炎、C型肝炎、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)などの慢性肝疾患
  • 肝硬変症
  • 食道・胃静脈瘤
  • 肝内結石症
悪性疾患
  • 肝細胞がん
  • 肝内胆管がん
  • 肝嚢胞性腫瘍
  • 大腸がんなどの転移性肝腫瘍
実績
肝がん手術
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
腹腔鏡下肝部分切除術 4 3 6 10 15
肝2区域切除 3 3 3 8 5
肝門部胆管悪性腫瘍手術 3 0 2 3 3
肝1区域切除(外側区域除く) 3 1 2 1 3
肝部分切除術 9 12 9 3 2
肝亜区域切除術 6 1 4 5 2
肝外側区域切除 2 4 4 2 1
腹腔鏡下肝外側切除 1 0 0 1 0
肝3区域以上切除 1 1 1 0 0
TACE件数
2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
血管塞栓術(選択的動脈化学塞栓術) 38 21 18 10 10
肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法 3 0 0 2 3

膵臓・胆道

膵がん、胆道がんをはじめとする肝胆膵領域のがんは、予後不良なことが多く、消化器がんのなかでもっとも治りにくいがんと言えます。しかし、新規抗がん剤の開発や手術手技の向上により、ここ10年の間で切除をうけられた膵がん患者さんの予後は飛躍的に向上しています。また、これまでは進行していたために切除の対象とならなかった患者さんも、抗がん剤や放射線治療などを組み合わせた集学的な治療を行うことで病気のコントロールができるようになってきています。

患者さんやご家族の方々は、とても不安な気持ちで治療に臨まれていることと思います。膵臓・胆道グループでは、難治の肝胆膵領域がんを克服していただくために、スタッフが一丸となり、最新の知見を習得し、患者さんにとって最善の治療を追求しています。

日本肝胆膵外科学会 高度技能専門医認定修練施設の認定を受けています。

広島記念病院は、2018年6月に日本肝胆膵外科学会高度技能専門医認定修練施設Bに認定されました。膵臓がんは、年間症例数の多い医療機関ほど治療成績が良い傾向にあり、両者に相関があることが報告されています。高度技能専門医認定修練施設に認定されている医療機関は、特に、手術の難易度が高い肝臓がんや胆道がん、そして膵臓がんの外科治療を受ける際、医療機関選びの参考にしていただけます。

高度技能専門医認定修練施設について

肝胆膵外科手術は、消化器外科手術の中で、特に難易度が高いといわれています。この難しい手術を「安全に、かつ確実に行うことのできる外科医を育てる」ことを目的に、日本肝胆膵外科学会は、高度技能専門医や修練施設の認定のための高度技能専門医制度を2008年より始めました。

高度技能専門医認定修練施設について

肝胆膵外科手術は、消化器外科手術の中で、特に難易度が高いといわれています。この難しい手術を「安全に、かつ確実に行うことのできる外科医を育てる」ことを目的に、日本肝胆膵外科学会は、高度技能専門医や修練施設の認定のための高度技能専門医制度を2008年より始めました。

高度技能専門医認定修練施設とは

日本消化器外科学会専門医制度指定修練施設によって認定されており、かつ高度技能指導医あるいは高度技能専門医が常勤し、高難度肝胆膵外科手術を基準数以上の手術を行っている施設です。

高難度肝胆膵外科手術とは

高難度肝胆膵外科手術とは、肝臓、胆道、膵臓の手術で、日本肝胆膵外科学会が定めており、侵襲が大きな手術です。たとえば、肝臓がんや胆管がんで肝臓を大量に切除する肝葉切除などの手術、胆のうがんの手術、膵臓がんに対する膵頭十二指腸切除などの手術、肝臓、膵臓移植の手術などがあります。比較的簡単な肝胆膵手術(肝部分切除、肝外側区域切除、良性に対する膵体尾部切除術など)は含まれていません。

詳細は日本肝胆膵外科学会のウェブサイトをご覧ください。
参考:日本肝胆膵外科学会 高度技能専門医とは
http://www.jshbps.jp/modules/public/index.php?content_id=3 

広島記念病院では、肝臓、膵臓、胆道の病気について、高度な医療技術を駆使した治療を提供したいと考えています。

主な疾患と治療法
良性疾患
  • 胆石症、急性胆嚢炎、総胆管結石、急性胆管炎
  • 膵胆管合流異常症、胆道拡張症
  • 慢性膵炎、急性膵炎
悪性疾患
  • 膵がん
  • 胆道がん(肝内胆管がん、肝門部胆管がん、遠位胆管がん、胆嚢がん)
  • 十二指腸乳頭部がん
  • 膵嚢胞性疾患(膵管内乳頭粘液性腫瘍 IPMN、粘液産生膵腫瘍 MCNほか)
  • 膵神経内分泌腫瘍
実績
膵がん手術
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
膵頭部腫瘍切除術 16 12 9 26 16
膵体尾部腫瘍切除術 5 2 4 9 12
膵全摘術 0 1 1 0 0
胆のう手術
2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
腹腔鏡下胆嚢摘出術 131 149 167 154 154
総胆管切開術 5 4 4 0 3
胆嚢悪性腫瘍手術 5 3 2 5 2
胆嚢摘出術 11 3 4 5 1

その他 消化器疾患

消化器センターでは、食道、胃、大腸、肝臓、膵・胆道疾患のほかにも、消化管に関連したすべての病気を取り扱っています。各分野の専門であるとともに、消化器全般の病気についても最適な診断や治療を提供していきたいと考えています。

実績
虫垂切除
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
腹腔鏡下虫垂切除 45 57 53 68 70
虫垂切除術 9 3 9 10 2
鼡径ヘルニア手術
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
腹腔鏡下鼡径ヘルニア手術 37 38 33 43 57
鼡径ヘルニア手術 18 21 37 41 39

設備の紹介

  • マンモグラフィー

  • 内視鏡

  • 手術室1

  • 手術室2

  • CT室

  • 化学療法室

  • カンファレンス

  • 薬剤部

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